風流粋人の食べ方
ざる蕎麦に、天然わさびを擦ったのを直接ぬり付け、箸でそばを一つかみし持ち上げ、下1/3をつゆに浸し、そのまま音を出してめんをすすりながら口に入れる。わさびが鼻をつんと通り抜ける。
蕎麦は二八にかぎる
蕎麦は二八そばが美味しいと言われるが二の部分に使用するのは小麦粉(中力粉または強力粉)だが、これは蕎麦粉だけではパラパラで粘りが少ないためつなぎを良くしつるつる感をを出すためということ。あまりたくさん混ぜ合わせると蕎麦自身の薫り感触がなくなるためちょうど良い折り合いが2割。
肉を食べたら蕎麦で締め
年越し蕎麦を食べるのは、蕎麦の食物繊維で身体の中を掃除するため。
蕎麦に含まれている植物繊維は、便通を良くし、腸を掃除する効果がある。昔の人が年越し蕎麦を食べていたのは経験的にこれを知っていたからだ。
食物繊維は腸の病気を予防し、血中コレステロールを低下させ、糖尿病を改善する働き者。脂肪の多い肉をたくさん食べたら必ず食物繊維、締めは蕎麦が理にかなう。
蕎麦と一緒に食べたいもの 邑南町産の山芋とムカゴ天
蕎麦と山芋は是非一緒に食べたい。
蕎麦を食べると頭が良くなると言われ、また山芋は昔から強精作用があるとされ、山ウナギとも言われてきた。ムカゴは山芋の葉っぱの所にできる球芽でこれを一緒に食べたら健康によい。
長野県人に頭のいい人が多いのは米を作る肥沃な耕作地が少なく蕎麦づくりが盛んで昔から蕎麦を食べる習慣があったためだとも言われている。
蕎麦は決してそれ自体に味があり美味しいというものではなくその風味食感を楽しむものだ。蕎麦は一緒に食べるものによって美味しさが変わる。
蕎麦には大根のすり下ろしと、山芋、天ぷらが定番となっている。
大根おろしはがさがさの蕎麦を食べ易くし消化を助ける。山芋は蕎麦をつるつるにしてくれて口ち当たりを良くする。天ぷらは蕎麦の淡泊な味を美味しくしてくれる。
天ぷらには癖のない味のムカゴ天が最高。特に邑南町では昔から山芋(自然薯)がだくさん取れる。是非邑南町の山芋とムカゴとを一緒に食べたい。
ムカゴにも同じようにこの生殖能力を強める効果があるとされるアルギニンがたくさん含まれている。
この度は蕎麦粉も井原で作ることとした。井原産の蕎麦、山芋、ムカゴ天を食べて頭を良くして元気を出そう。
邑南町産山芋の栄養
山芋については、一般的に「やまいも」と言われているものには自然薯、長芋、大和芋とある。この違いは、自然薯は日本に昔から山で自生していた(日本原産)もので粘り気が強く独特の味わいがあり風味が豊か、長芋は中国原産で水っぽい、大和芋も中国原産で日本の自然薯と同じように粘り気がある。栄養価の違いはほとんど無い。
山芋はあのねばねばが特徴で、ねばねばの成分は「ムチン」と呼ばれ胃腸の調子を整える力があり便秘改善に効果的な上、抗ウイルス作用もあり、細胞を活性化させる力もあるため老化防止、肌の若さを保つ作用もある。邑南町は山林が多く昔から自然薯の生産地だ。
一日1食蕎麦を食べるときに注意したいこと
注意1 つゆは付け過ぎない。つゆは箸で持った下の方1/3だけ浸し麺にわさびを直接付けて麺そのものの風味を味あうのが粋で通の食べ方。
注意2 かけそばなどの温かい蕎麦のつゆは、たくさん飲まない。
注意3 蕎麦湯は忘れずに飲む。ただし蕎麦湯に蕎麦つゆは入れ過ぎない。
注意4 乾麺の茹で湯は飲まない。乾麺には塩が入っている。茹でるときは大量のお湯を使い塩を抜くこと。
乾麺の袋に「小麦粉、蕎麦粉」という順番に表示されていれば小麦粉の方が多く使われていることを覚えておこう。
蕎麦の栄養に足りないものは大根おろしと山芋で
蕎麦には人間に必要な栄養素が豊富に含まれているが、足りないものもある。ビタミンA、C、D、E,Kが足りない。ビタミンを補うことのできるものと一緒に食べればいい。
大根おろし、干し椎茸、にしんはビタミンD、蕎麦つゆの鰹節、わんこそばに入っているイクラにはビタミンD、Aがある。
いろいろな蕎麦の食べ方
1 トマトジュース蕎麦つゆ
塩分を控えたい場合、トマトジュース(食塩無添加)にサラダドレッシング(ノンオイル玉ネギ)を1/3ぐらい加え混ぜ合わせ蕎麦つゆとして使うと、酸味が少し出て味の変化が楽しめる。混ぜ合わせは好みのより調整する。
2 蕎麦サラダ
茹でた蕎麦を緑黄色野菜などに混ぜ野菜サラダを作ると栄養バランスの良い食事ができる。チーズなどを混ぜても面白い。
3 そばがき作り
蕎麦粉と水、1対2を混ぜ合わせ火にかけて杓文字などで練る。好みの固さに近ずいたら火を止めしっかり練る。蕎麦の風味が堪能できる。
4 蕎麦グレープ
蕎麦粉100gに卵1個を割り入れ、練った球を冷蔵庫で1時間寝かせる。それを水で溶きフライパンで薄く延ばして焼く。両面を焼いて出来上がり。蜂蜜やチースなどをかけて召し上がる。
5 蕎麦芽栽培
皿にキッチンペーパーなどを敷き浸るぐらいに水を入れ苗床を作る。そこに蕎麦の実を播けば1〜2週間(条件による)で芽が出てくる。蕎麦芽にはルチンなどの成分を蕎麦粉より豊富に含んでいる。工夫次第でいろいろな料理に使える。
6蕎麦の素揚げ
蕎麦を素揚げにしてカリカリにするとビールのおつまみに最高。ただし蕎麦には味がないのでこれをかけらにしてサラダにかけるとカリカリサラダができる。
雲井そば 日向そば 断魚そば 東明寺そば 井原そば
島根の於保知地盆地井原地区で作られた日向蕎麦粉、断魚蕎麦粉で打ったそばに、同じく井原地区で採れた山芋(すり下ろし)、ムカゴ(天ぷら)を添え、深篠川、日向川、東明寺川、天蔵滝で栽培されたわさび(練り)で食べるのを「雲井そば」と言う。
「日向蕎麦」「断魚蕎麦」[東明寺そば」と言うときもある。これらを総称して「井原蕎麦」とも言う。
そばの食材が全部井原地区で採られた地域の特産となっている。
蕎麦メニュー(レシピ)
そば打ち道場ではそれぞれの料理を勉強します。
冷やし蕎麦
ざるそば(ざるに盛った蕎麦)
盛りそば(ざるそばに板のりを上に置いたもの)
割子蕎麦(割子に盛った蕎麦)
せいろそば(せいろに盛った蕎麦)
温汁蕎麦
かけそば(どんぶりに入れ温かいつゆを入れたもの)
どんぶり蕎麦(かけそばにトッピングを入れたもの、いろいろの名前がある)
蕎麦ぜんざい(蕎麦に小豆、餅を入れたもの)
蕎麦つまみ
そばがき(蕎麦を打たずにこねたもの)
蕎麦かりんとう(打ったそばを揚げたもの)
そばかんてん(打ったそばを寒天で綴じたもの)
ハンザケ蕎麦(検討中)
蕎麦サラダ(打ったそばをサラダに混ぜたもの)
その他蕎麦バラエティ
蕎麦寿司(打った蕎麦を入れた角寿司)
蕎麦巻き寿司(打った蕎麦を巻いた寿司)
蕎麦饅頭(蕎麦粉で饅頭を作ったもの)
蕎麦ご飯(打った蕎麦とご飯を混ぜ合わせたもの)
蕎麦グレープ(蕎麦粉を溶いたグレープ)