蕎麦談義

「そばを打つ」と言って打つという意味を知らずに打っている。そばを打つの 「打つ」はどういう意味か、なぜそばは「打つ」というか。
餅は「突く」と言う。そばは「打つ」と言う。分かるかな???



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蕎麦の蘊蓄 蕎麦談義
そば打ちは大人の贅沢な趣味、ゴルフが外遊びなら、そばはおもてなし遊び、そば打ちの喜びは、自分の作ったものを人に食べてもらって「おいしい」と言わせること。ここに自己実現と満足の感動がある。
同じそばは2度と出来ない。1回1回打つたびに違うそばとなる。よしこれだと思って同じように作ってもそのとおりにはいかない。
先日、84才になる師匠が「打つたびに反省がある」「そばは奥が深いんだ」と言っておられた。 外遊びのゴルフと同じだ。練習場で今日はよく当たったから明日のコースは万全だと思ってもそうはいかない。「なぜだ」と思って悩んだらスコアーはウナギのぼり。反省することばかりだ。ゴルフもそばも同じに奥が深い。







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そば打ちで長生きしよう

  • そばはルチンという成分があり動脈硬化や高血圧によいと言われています。 そばを打っていたら粉が舞っているので、それを鼻や口から吸ったら同じ効果があるか。
  • そばを打っていたらそばを混ぜる時点でそば粉が見には見えませんが 舞い上がっています。
  • 先日年越しそばで200人に近いそばを打ちましたが、鼻に毎日傘蓋のような 柔らかいものが詰まるので鼻の流通をきれいにしていました。また3日目ぐらいになると 眼が充血してきました。やばい。
  • 原因はそば粉のがむんむんとしている中で作業を行ったせいだと考えられます。
  • 鼻から吸ってルチンが吸収されればいいのですが、そういうわけにはいかない。
  • 要注意。今度からグーグルとマスク着用がいいのかも。趣味で2〜3時間 ぐらい打つのは関係ない。
    <2024年1月2日>

    羽釜揚げそばとは

  • 目の前で45秒茹で、特製のそばつゆと羽釜から直接熱熱のそば湯を入れます。 白く濁ってとろみがありますが、これが「雲井羽釜そば」の特徴です。
  • 茹でたてのそばをそば湯ごといただく濃厚な一杯、甘い香りが立ち上がる。 羽釜で茹でて濃厚の味と香りを出すのが羽釜揚げそばです。
  • 釜揚げそばは島根県出雲地方で出される食べ方、関西では釜揚げうどんが有名。 ゆで上げた麺をそのまま器に入れゆで汁(そば湯)をそそぎ濃いめの出しを注ぎ、 濃いめのだしをかけていただきます。
  • そば粉が溶けだしてとろりと白濁したそば湯が、 滑らかな面に絡み、濃厚な味わいです。
    <2023年10月10日>

    羽釜揚げそば(「雲井羽釜そば」)はなぜうまい

  • 昔しの人は打ったそばをそのまま茹でてそのまま食べていました。これがそば本来の風味 を出した食べ方です。それをイベント用に再現したのが「雲井羽釜そば」です。 最近の普通の温そばとは違います。
  • 邑南町産そば粉を使い熟練のそば職人が羽釜用に昔からの手打ちで打ったそば麺で、 羽釜で茹でて美味しく召し上がれます。打ち方は秘伝の古式打ち。
  • 羽釜でお米を炊くと美味しいと言われています。これは羽釜が適度な丸みを帯び 熱を均一に受けることができるためです。そばも均一に熱を受け美味しく茹で上がります。 雲井は羽釜茹でにこだわります。
  • そばに含まれるルチンは、血管の弾力を保つ力があり高血圧、生活習慣病などの予防に 役立つ物質として知られています(「そばの力を科学する」から)。
  • ルチンは水溶性が高く茹でたら茹で汁の中に溶けて出ていきます。 ルチンが溶けて出ているそば湯をそのまま入れて出すのが「雲井羽釜そば」です。
    <2023年10月10日>

    鉢のヒダヒダ

    最近お客さんからよく「あんたの打ったそばはどこよりも美味しい」と言われるようになってきた。 自分でもそばというのはこんなに美味しいものかとも思うようになった。妻も同じことを言っている。 そばの美味ししそうでないは、いろいろあると思うが、そば粉、挽き方、打ち方、わり粉、打ち粉、 茹で方、つゆ、割合、水、日持ち、盛り方、いろいろある。 私はもう一つ鉢の作りが違うのではないかと思う世になってきた。 というのは私の専用の鉢は、長野秋山郷のとちの木の一本刳りものでえぐり取ったカンナのおえぐり 跡が規則正しく適度な深さで残っている。 この元の直径60センチの素鉢を手に入れたときは内側横のところがしっかりついていたが、 底の部分は平だった。 コロナよりずうっと前になるが町田のがらくた骨董市の神社で見つけた、多分東北の方に あったものだと思うが軒下に長く置いてあったのかカビというか苔というか緑のような色をしていた。 帰って水洗いしたら悪いかもしれないと思ったが、これだけ汚れていたらもう水で洗うkしかない と思い思い切って水洗いした、そしたらすごいものが出てきた、元々が漆が塗ってあったのかもう それが薄くなって焦げ茶色になっている。径は65pある。裏に山マークの下に佐と焼き印で 刻印してある。内側は彫刻刀のようなかんなで削った跡がそのまま残り、 それにしっかり漆が塗ったあった感じだ。もう茶色になってかすれている。 これは大きな蕎麦屋さんが何十年も使っていたのものに違いない。山佐のマークのお店を 探したいとも思った。年季の入ったそば鉢だ。 この八の内側が彫刻刀カンナの削り放しのひだひだが残っている。ヒダヒダと 言ってももう何十年も使ていたら山も削り取られほぼ平のようになっているが。 このヒダヒダはそこにもついていて内側全体についている。 これが本来の無垢一本丸田を刳り抜いた本物のそば鉢だ。 私の手に入れた秋山郷の鉢は内側横にはカンナ彫刻刀の削り放しとなっているが、 底は削っていない。 自分で削ることにしてカンナを察したがそれ用のがなくて、彫刻刀の大きなのを買って 何とか削った。 そして漆を50回ぐらい重ね塗りしてようやく出来上がった。 これで打つのと、市販の中が赤いつるつるの内側のもので打つのとでは麺の美味しさが違うようだ。 打ち方にもよると思うが器も麺の出来具合に関係あるものだと言うことが分かった。 打ち方はそばの本流の打ち方、教本があるが、 に添って、忠実に水を半分半分と水廻しをしている。最初の半分は少し多めだが。 やっぱり基本に忠実な打ち方で打ったそばが一番美味しい。、 そばを打つとき場所の違いもあるのかもしれないが、自宅のそば小屋(マイ鉢)と公民館(赤鉢) とではつながる時間が違うし、水の量も違うようだ。 ヒダヒダがあることにより空気はよく入り早く仕上がる。 ヘダの深さや形については企業秘密だが、すべて公開することとした。ただしこれが一番とは限らない。 底のひだの形は扇状として削っている。深さは粉廻しをするのでスムースに手が動かなければならない。 (br) <2023年2月17日>

    出雲そばはなぜ黒い

    出雲そばは日本三大そばの一つ。黒くて太くて短い。割りこそば。 黒いのは鉄分がある。そばは肥料いらず。焼き畑農業だった。 昔の肥料は糞尿。山裾で斜面でそのままで育つ。 出雲はたたら砂鉄で有名。砂鉄は真砂から鉄を採る。 島根は石見銀山もありまさ土だ。 昔は種をあまりきれいにせずにそのまま挽いていた。 殻が挽いて黒くなる。それと種にはごみ、土がついている。土には鉄分がある。 鉄分は栄養に必要。お米を炊くときに鉄を入れる習慣もある。 神田は洗った。化学肥料、の畑で栽培するようになった。 近代的、 (br) <2023年2月16日>

    出雲そばと雲井そばの違い

    出雲は雲が出ると書く=出雲。雲井は雲を囲むと書く=岩見。同じ雲、霧、露。 どちらにしても雲がよく発生する山沿い。霧の多いいところ。 露下そばともいうところもある。 味が違う。噛んで食べる味が出る 。 (br)
    <2021年12月10日>

    なぜ日本人には二八が美味しいのか

    「十割より二八が美味しい」という言葉をよく聞きます。日本人は口の感覚が優れており、繊細な 風味が口の中の感触で感じられます。 小麦粉はうどんは小麦粉で作られています。 うどんののど越しはつるつる、滑らかです。そば粉を少なくし小麦粉を多くした場合はうどんと同じ ようにつるつるのそばとは言えないそばが出来上がります。 だんだん小麦粉を少なくしそば粉の割合を多くするとそのつるつる感が減ってきます。 そして小麦粉をまた食入れないそば粉だけにするとそば粉のざらざら感がもろに出ます。 このざらざら感がいいんだという人もいますし、あまりおいしくないのだが そばはこれだという人もいます。 人の口当たりのど越しが一番いいのはどのような時か。その割合がどうか。つるツツ感が なくてざらざら感がないちょいうどよい割合のいい食感。これが一番食べやすくいいはずです。 これにそばという感触が少し加わってそばを食べているという食感が出る割合が小麦粉2割なのです。 これは人さまざまで。「ざらざら感がそばの味だ」という人もいますし、 ことはあまり聞きませんが、蕎麦殻には収穫した時の土や泥が付着しています。島根の方では「 黒くて、太くて、短く切れていないとそばではない」という人もいます。 要は味というのは自分の感覚です。「武士は食わねど爪楊枝」ということわざがありますが、そばを 食べたんだという見栄のために「そばは十割がそばなんだ」とざらざらのそばを美味しいと言って食べる 輩もいます。 どちらも悪いとは言いませんが、自分がいいと思ったものが一番いいんです。

    <20221年5月6日>

    なぜそばは「打つ」というのか

    そば麺をそば台に打ち付けて薄くしていくのを打つという。もちは臼に上から杵で突いて練っているので 餅は突く。 打ち方にはいろいろあり、古来からの打ち方としてこの「1本棒台打ち」がある。 <2021年5月6日>

    玄ソバの蕎麦殻には泥がいっぱい

    「そばを洗って使う」ということはあまり聞きませんが、蕎麦殻には収穫した時の土や泥が付着しています。 それをそのまま手臼で挽いてしまうとその泥も一緒にそば粉の中に混入してしまいます。 コーヒーも豆を焙煎して挽いてたてているところは、事前にコーヒー豆を洗うそうです。 そうしたら美味しい焙煎珈琲が出来上るそうです。まあ土ですから毒にはならないようですが。

    なぜ古民家そば道場では手臼挽きの前に玄そばを洗うのか?
    一般的に玄そばを洗うということは聞きませんが、玄ぞばをそのまま手挽の石臼にかけると 蕎麦殻は取れましが一緒に挽くのでその蕎麦殻についているごみや土なども一緒に落ちてし まします。 それは粉より小さいものなのでふるいにかけてもそば粉の方に一緒に入ります。 このため事前に玄そばを洗います。玄そばにはすごいごみが付いているのがわかります。
    なぜ一般のそば製粉の時には玄そばをお洗わないのか?。
    大量生産のそば粉を作るときは、手臼で引くのではなく機械で処理します。 まず玄そばの殻を取る作業で、脱皮機というのがあります。これは蕎麦殻と中に入っている 実を分けます。実の部分はすっぽりと殻だけ取れた丸抜き、実が割れた大割れに分かれます。 殻は普通風で飛ばして殻をわかるので、ごみの付いたから、その時出来たごみも 一緒に飛ばされます。残ったのは、丸抜き、大割れです。 そば粉にす丸抜きと、大割れを使うので玄そばの殻のごみは心配することがないということです。
    洗う方法は?
    洗う玄そばをネットに余裕があるように入れて(口を縛る)、水のン赤に付けて揉み洗いします。 大体7回行い8回目がすすぎでいいでしょう。短時間30分程度で行います。

    昔の人も「水洗いして天日で乾かすのが理想的」といっている

    講談社発行の「蕎麦の蘊蓄」という本の「ピュア―な粉を求めて」という欄に『友喬子は、 「十分に角押しした玄ソバでも水洗いをしてみると、おびただしい泥水とごみを見る」 といい、水洗いして天日で干すのが理想的といっている』と記している。 現在でも機械で玄そばを磨いているが、やっぱり殻にびったりとくっついた泥は磨いても 取れない。手臼で殻を粉にするとそれが全部粉の中に入ってしまう。 自家製粉で自宅で手臼で玄そばを挽く場合は洗ってその泥やごみを取った方が雑味 が出なくていい。黒くて茶色のそばは危ないかも。 私の店では自家製粉で個性的な味を出したと思っている。体験してくる方にもそのあたりから経験してもらいたい。

    <2021年3月16日>

    1本棒と3本棒どちらが美味しい

    人は十人十色というように好みはそれぞれ違うもの。食味についても好みがある。
    硬いものが好きな人、柔らかい方がいい人、 ざらざら感がある方が食べた気がする人、 つるつるでするりとのどに入った方がのど越しがいいと言う人 、辛いのを好む人、甘い方が好きな人、人それぞれだ。
    これだという正解はない。それなのに「あそこの店は美味しくない、 こっちの店が美味しいそばを出してくれる 」「そばは十割でないとそばでない」 とか言う御仁がおられる。そばをあまり知らない人は「そんなもんか」と 鵜呑みにしそれを他の人に「そばというのはこんなもんらしいよ、 あそこの店は美味しくないようだ」と人に言い伝える。困ったもんだ。 しかし、そば屋の店主はかたくなに自分の味を守る。自分の打ったそばが一番おいしい。 そばにはいろいろの味食感があっていい。食べて楽しむのは十人十色の人間様だ。
    1本棒古式打ち 丸延し
    <とにかく自然に単純に延ばす方法>
    麺と麺を擦合わせで延ばす

  • 麺はふっくら
  • ざらざら 気功あり
  • そばの香がよくでる
  • 切れやすい
  • 柔かいもちもち感
  • 3本棒江戸打ち 四角延し
    <狭いところで合理的に打つ方法>
    麺棒で麺帯を圧縮して延ばす

  • 表面が硬く密着
  • つるつる
  • 香りを閉じ込め
  • 切れにくい
  • 硬い食感

  • <2021年3月16日>

    二八と十割どちらが美味しい

    故事ことわざ辞典では「武士は食わねど高楊枝とは、たとえ貧しい境遇にあっても、 貧しさを表に出さず気位を高く持って生きるべきだということ。また、やせ我慢することのたとえ。」
    日本人の気質だろう。これをそばに直してみると 「外では見栄を張って十割、家では自分の好きな二八」というところか。

    <2020年11月19日>

    邑南町産新そばには弾力がある

    新そばが出る季節となり、邑南町産そば粉、正確には邑南町日向産三瓶在来種、を打ちました。 香りは三瓶在来らしい香りがありましたが、新発見はそばに弾力があることです。 昨年のそば粉と一緒に打って食べ比べをしました。 そばの味として、そばそのものには味はないけど自分が美味しいと感じるものとして、 弾力があるということはこしがあると感じるということか。そばの味覚の中に弾力も加えることとするか。

    <2020年11月11日>

    一本棒そば打ち(古式流)

    今そばの打ち方は、3本の棒を使って四角に延ばす江戸流が主流です。 これは江戸の下町で家の密集したこせこせしていたところでいかに効率よくそばを打つかという その時代の打ち方をあみだしそれが3本の棒を上手に使って進化したものと思われます。 もともと古来からの打ち方は1本の棒で丸く延すという単純なものでした。 1本棒で有名なのは、信州の戸隠そば、福島の会津そば、島根の出雲そばです。 だんだん効率のいい打ち方が浸透してきていますが、信州の戸隠では今でも1本棒でそばを延ばしています。 江戸人はそばを食べるときつるつると音を出してそばを口に吸いこんで食べるのが粋な食べ方としてきました。 これは江戸流でそばを延ばすときは生地を棒で転がして生地の表面をきれいに整地しつるつるにします。 味は生地の中に封じ込まれます。これだとつるつつるしているのでのど越しはいいはずです。江戸人は これがいいんだと言い張ってそばの味が封じ込まれた麺を食べっぷりがいいなどと言いながら食べていたのです。 戸隠の1本棒は古代からの打ち方で、とにかく薄くして麺を切らないといけないので、何回もめん棒に巻いては開き、巻いては開き、 これを繰り返すことにより徐々に生地が薄くなって行きこれを切っていました。 これだと生地も表面をめん棒により圧迫して薄くするのではなく、生地を巻き取ることにより生地と生地が摺り合って 薄くなるので、そばの風味も生地の表面に残り茹でたときそば本来の味が出るのです。 昔はみな生粉打ちでしたので特にそば本来の味を残すもので、そばは噛んで食べるものだという 風に言われているところもありました。 江戸流のそばは主流が二八そばです。二八の場合は麺棒で圧縮して延ばすことにより表面がきれいになり のど越しもよくなるので、好まれたのではないかと思います。

    <2020年8月5日>

    邑南町でできたそばはなぜ美味しいと言われるか

    邑南町は中国山脈の頂近くで昔は砂鉄で山が削られ大きな盆地状の地形となっている。
    この時期(初夏から秋まで)の朝は水滴がつく朝露が付いている。子供の頃から朝露は普通の光景で 何も疑問がなかった。
    「一雨ごとに緑が濃くなる」と言われているが、雨が降ると雑草がどんどん大きくなる。
    今の時期は家の周りの雑草刈り、でどこの民家も大変な時期だ。廻りを順番に刈っていくのだが、 全部刈り終えたと思ったら最初のところが既に20pぐらいは生き生きと伸びている。当然また刈る。 これの繰り返しだ。
    植物にとってはこの、雨や朝露は大きな栄養源となっている。
    だから大昔はそばが作られていたのだろう。蕎麦谷という地名も残っている。でも最近は国策としてお米の方が収入がよくて お米作りが主流となった。
    しかし最近は外米が入ってきて価格も下がり、他のものを作っている 田畑が多い。そばも再現されている。
    朝露は当然と思っていたが、中国山脈の盆地で朝もやは立つし、霧もよく発生し、朝露の水量も 多いのだろう。
    だから種から芽を出したその時から水分含有量が十分あり、種になっても、玄そばになっても、丸抜きでも 水分量が安定しており、貯蔵保管していても水分含有量が変わらず、邑南町産は美味しいと言われる。
    そばを粉にしたときに角のない粉となりまろやかになるのが邑南町産だ。
    ほんとうの味そのものはそばだけの味だ。粉にしたときごつごつしているかまろやかかという違いだ。 これを人は美味しい、美味しくないというのだ。人の好みにもよる。
    味というのはそんなもんだ。邑南町産はそのなかでもまろやかなものといえる。

    <2020年7月31日>

    蕎麦には味があるか

    ない。打った麺そのものには味はない。「味」をどう定義するかによって違うかもしれないが、 素そば緬には香り(匂い)、風味(色、温度)、食感(硬さ、太さ、粒)はある (これを「緬感」という)が、味はない。 だから変わり蕎麦が出てくる。 この香り、粒子の粗さなどを区別して分かるのが通。 そばが美味しいとか言うのは、打った味のない麺に対して食べる人が美味しいと 感じるつゆや薬味などを上手に出す蕎麦屋さんの腕だ。 そばが美味しい、美味しくないというのは食べる人の感覚だ。 そばを打つ人は、自分の打ったそばが一番おいしいと思っている。
    そば職人=いつも同じ緬感のそばが打てる
    素人そば打ち=打つごとに緬感が違う
    専門店=その店のそばつゆの味を守っている
    風流=いろいろのそばつゆを味わう

    蕎麦には品格はあるのか
    結論から言うと「ある」だ。そばというものは、それなりに打つと、それなりのそばが出来る。気合いを入れて打ったら、肩に力が入った分、難しいそばとなる。要らぬ力を抜いて、自然体で、丁寧に打てば、品格のあるそばが出来る。
    食べ方もある。そばにわさびを付けつゆにちょっと浸してそのまま口に入れる。そばの生地の味がそのまま口に伝わる。ガサッとそばつゆに漬けるとつゆの味が勝つ。本来のそばの味を味あうこと。たれの味を味あうのではない。 たれにたっぷり漬けてがむしゃらにガツガツ食べる輩がいる。心を込めた品格ある 出来上がりのそばは、食べる方も品格を持って食べてもらいたいものだ。

    そば打ち段位認定試験にそばの品格チェックがある
    素人そば打ち段位認定制度というのがある。段位を認めてもらおうと金を払って集まった受験者が、並んで技能審査を受ける。その間をバインダーを持って背広を着てそばを打っているところを見ながらその仕草を一人ひとりチェックして紙に印して廻っている審査官なる恐ろしそうな人がいる。受験者からしたらうっとうしい存在だがこの人の見方一つで合格するかどうかが決まるので廻ってきたときはかっこよく見せようとつい力が入る。 このバインダーの中には「段位認定技能審査チェック項目」が並んでいる。道具の準備をするときから手洗い(衛生)、そしてそば打ちに入り水回し、こね・練り、延ばし、切り、片付け・態度とそれぞれ10項目ぐらいづつのチェック項目がある。そして最後に総評という欄がありそばの仕上がり具合をチェックする。
    この中に「仕上がったそばは品格を感じるか」「出来上がり品は、品格・魅力を醸し出しているか」というチェック項目がある。
    そばには「品格」という言葉がある。
    この段位認定では審査官がどれだけの技量を持ってどれだけの審査能力を有しどれだけの品格を持って審査しているかどうかは分からないが、とにかく「品格の審査」もある。

    品格論議
    品格とはなんだろう。
    広辞苑で「品格」を引いてみると、「@もののよしあしの程度。しながら。A品位。気品。」と書いてある。そんな簡単なものではないと思うが、書いたらこうしか書けないのかもしれない。もう少し品格とは奥の深いものと心得る。
    仏教に「九品」というのがあり、どこかの本に「品とは内面であるが、結果としては内面を投影した外面にあらわれる。品の本質は内面にある。その内面にのみ目を向けて品を9段階に格付けしたのが九品である。」と書いてあった。まさに品格はそのものの内面からにじみ出る光のようなものだ。
    全て知り尽くし、習熟され、洗練された一分の隙もないかたち、しぐさの中から生まれる全てを全うした隙のない光。
    わび・さびとは違う、全体を悟りきったものから発せられる光。
    真の真髄から発せられ全体を包み込んだ幻の光。
    この光こそ品格だ。 この光は無我の心境になった時にしか見えない。


    そばで腹が満腹となるか
    先日、フィンランド人にそば打ちを教えそばを食べていただきました。
    美味しいと言って食べてくれた(割子三杯は食べていた)のいいが、付き添いの通訳が後から教えてくれたところによると、帰るときコンビニに寄ったそうです。
    打ってすぐ食べる手打ちそばは、いくら食べても腹のふくれるということはありません。特に10割そばなどはそうです。なぜか。
    打ってすぐはそばも未だ柔らかく、胃の中に入ったらそば麺が分解しバラバラになります。いくら食べてもたまるということはないのです。
    うどんの場合は粉が小麦粉で胃の中にたまります。そばも小麦粉を多くして打ったものは食べた気がするかもしれません。
    手打ちそばで腹を安定させるには、蕎麦湯を飲むことです。そば湯にはグルチンが出ていますので胃の中に入ったときこれが 胃壁につき胃が安定するのです。
    そばは食べた気がしないというのは、食べたそばが本物のそば粉だけで打たれたそばだという証拠です。



    蕎麦と健康


    頭がよくなる蕎麦を食べて
    血管を強くし、血圧を下げよう!


  • 蕎麦に含まれているルチンという成分が、毛細血管を強化して血管の弾力を保つ力があり、高血圧症や脳梗塞を予防する。
  • 蕎麦は食物繊維であり、脂肪の吸収を抑え、血中コレステロール値も改善する。
  • 摂取すると頭の働きが活発になる成分が亜鉛である。不足すると味覚障害が起こる。蕎麦は穀物の中では、亜鉛を比較的多く含む食べ物。
  • 元禄10年(1697年)に出版された「本朝食鑑」は、様々な食品が人の健康に及ぼす影響などを記した、いわば食材の百科事典のような本だが、そこには蕎麦について次のようなことが書かれている。
      蕎麦を食べると気分がおだやかになり、食欲がわく。
      蕎麦は胃の働きを活発にし、腸をしっかりさせ、便通をよくする。
      蕎麦湯を飲むとよい効果がある。
    全国麺類生活衛生協同組合連合会「蕎麦の力を科学する」から


    そば粉は水を好む



    水回しの時だまができることがあります。これは一部の粉が水を吸って固まった状態です。
    そば粉は水を好みます。しかし最初に出会ったときは一瞬拒否します。そしてどんどん吸収していきます。
    モタモタしていたら先の粉が水を全部吸ってしまい一瞬拒否したので次には水がなくなってしまいます。 水を吸った粉だけがダマになるのです。
    水回しはだまにならないように素早くかき混ぜてやる必要があるわけです。




    そばの打ち方に進む

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